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南草津野村病院(滋賀県草津市) 野村哲哉先生

 JR南草津駅は、琵琶湖の南側にかかる近江大橋から数キロの場所に位置しています。比較的新しい駅ながらも、東海道本線の新快速が停車し、京都駅まで20分程度と、交通の便も良い駅です。1日の乗降者数は22,000人程度、滋賀県内でも3番目に利用者数が多い駅となっています。
 駅の開業に伴い周辺の開発も進み、現在では商業施設や学校、マンションなどの居住施設も多く立ち並んでいます。立命館大学のびわこ・くさつキャンパスの最寄駅となっており、ファミリーから学生まで、多くの人で賑わっています。
 今回はこの南草津駅から徒歩3分、開業して15年の歴史があり、滋賀県で最初に体外受精を実施されたという実績もあることから、滋賀県内各地から患者さんが訪れる、南草津野村病院の理事長でもあり院長も務めておられる、野村哲哉先生にお話を伺いました。

生理痛は女性のQOLから考えると、とても重要なこと。痛みがあるのなら我慢せずに早めの治療を受けましょう。


医学博士 野村 哲哉
(のむら てつや)先生
滋賀県医科大学医学部卒業
野洲病院産婦人科部長
滋賀県医科大学医学部文部教官助手(産科学婦人科学講座)を歴任し、平成3年に医療法人真心会 野村産婦人科を開院、平成9年に南草津野村病院を開院、院長に就任する。

南草津野村病院は滋賀県内の各地域から患者さんが訪れ、患者さんの数も非常に多い病院です。特にお産はいつ始まるか分からないため、外来診療途中にお産が始まったり、緊急の手術を行うことも珍しくありません。この日も診療と手術の合間にお話を伺いました。

野村先生は「生理痛(月経痛)は1ヵ月のうち数日ですが、累計すると年間に1ヵ月以上にもなります。そんな長い間我慢して生活している人が多のが現状です。例えばお母様からそういうものだと言われると、その認識のまま過ごしてしまいます。女性はもっと快適に過ごして良いものである、ということを伝えたいです」とおっしゃいます。
 生理痛の原因には色々なことが考えられますが、例えば子宮内膜症を予防するための黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合されたお薬の服用は有効であるとおっしゃいます。「黄体ホルモンと卵胞ホルモンが配合されたお薬の代表というとピルになります。昔はホルモン剤ということもあり、また含有量も多かったため、若い人には向かないものでした。しかし現在では改良が進み、含有量も必要最小限に抑えられ、若い人でも安心して服用することができます。例えば受験の際に生理日をずらしたいとか、学校や社会での男性とのハンデを予防したいという希望をかなえたり、予期せぬ妊娠からも守ってくれる薬なのです」(野村先生)

また、最近の傾向として遅産ということもあります。生理痛をずっと我慢して生活してきて、いざ妊娠を希望した時に、実は子宮内膜症があり中々妊娠できない、という患者さんも多いそうです。

そのため、思春期の頃から母親とともに産婦人科に慣れておくことが大切であると、野村先生はおっしゃいます。「最近では中学生から子宮頸がんの予防ワクチンの接種が可能となりました。これは中学生から高校生くらいから産婦人科に慣れておく良いチャンスだと思います。こういったことで産婦人科の敷居も低くなってきていると思いますので、早いうちに子宮内膜症などがないかを調べ、欲しいときに妊娠するというライフスタイルを築いて欲しいですね。子宮内膜症と不妊はイコールではありませんが、30歳を超えたらだれでも程度の差はあれ、子宮内膜症はあると思います。中には20歳代で子宮内膜症性の良性腫瘍がみつかるケースもあります。生理痛や体の不調があるのであれば、早めに治療を受けることが、妊娠への近道になるかもしれません」(野村先生)。

現在は60人〜70人に1人は、体外受精で生まれた子どもたちだそうです。野村先生はこのような現実の中でも、不妊治療を安易に体外受精に頼ることなく、不妊の原因を速やかに発見し、個々の夫婦に合った治療法を選択して早期に妊娠に至るよう、診療を進めて行きたいと考えておられます。こういった状況からも、生理痛は我慢するものではなく、早めに診察や治療を受けてほしいと、野村先生はおっしゃいました。

次は【わたしのとり組み】

南草津野村病院

住所
〒525-0059 滋賀県草津市野路1丁目6番5号
診療科目
産科婦人科、不妊治療
専門外来として、女性外来、乳腺外来、男性不妊
診察時間
月・水・金 9:00〜12:00、15:00〜19:00
火 9:00〜12:00、17:00〜19:00
木・土 9:00〜12:00
休診 /木曜日 土曜日の午後、日曜祝祭日
電話
077-561-3788
FAX
077-561-3799
ホームページ
http://www.nomura-magokoro-med.or.jp/nmb/

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